大阪の桐たんす職人、喜んでハマる

2017-04

続いて平ら!(研ぎについて) - 2015.06.28 Sun

今しばらく、平らに関わる話しをさせてください。
研ぎの平ら。

専門的な話しばかり…申し訳ありません…が。
いや、とにかく刃物研ぎは木工の基本であり、永遠のテーマ、奥深く、まあ…簡単じゃない。
夕焼け空

研ぎの難しさの1つは、
研ぐ過程で砥石も削れてしまうところにあります。


平らな砥石で研ぎ始めても、すぐに平面は崩れる。
だいたいはまず中間部が凹みます。

なので、
出来る限り、砥面の平らを維持しながら研ぎ進めることが肝要、と。


特にその砥石から次の番手の細かい砥石へ移る時点、
つまり、研ぎの終盤に向けては、より平らな面で研ぐことが求められます。
フィニッシュは平らな所で迎えたい。

というものの、研ぐほどに砥面の平らは崩れて行くもので、
刃物研ぎには初めから矛盾するテーマが与えられている 
というわけです。


     ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞


このことを踏まえつつ、自分が考える基本の動きの幾つかを記しておきます。

手前の端から向こうの端まで一気に研ぐ。

これは、第一の基本とも言えますが、
ひとストロークで安定させながら研ぎ進むには慣れを必要とします。
特に初歩段階では難しい。

また、
端から端までを同じ力で研ぐことは実際には(論理的には)無理
なので、この動きを基本の第一とするものの

こんな動かし方も基本の手立ての1つと考えてます。
砥石 使い方

砥石の向こう側ばっかりを使う。
(矢印のように前後動させて研ぐことを表しています。)

そのストロークの長さも変えたりしつつ、研ぐ。
砥石 使い方

当然左右に移動させながら、研ぎます。

こうすることで、
砥石上部を、平らに維持しながら研ぎ進め、
かつ、終盤には砥石をひっくり返して反対側の未使用の平ら部分を使う、という作戦です。

左右の端、向こう側の端もやや越えて、しっかり使うこともポイントになります


また、自然に研いでいると減りにくい端ばっかりを使って研ぐ。
砥石 使い方

この動きも、間に織り混ぜながら研ぎます。



また、研ぎの動きとは別に、
最初の面直しの時点で、砥石の中間部をやや高くしておく
ということも1つの手法になります。

砥石が減りやすい部分をあらかじめ高くしておこうという算段です。


         ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞



などなどなど、これらの手法は一般的なもので、オリジナルではありませんが、
おざなりにされがちであったり、特に初めのうちは見落とされがちでだったりします。

新人さん向け、ということもあり確認の意味もあり、こまこまと書いています。

さて、すっかり長くなってますが、じつはもう少し研ぎについて続けたいのです。
が、今日はこのへんで
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大根おろし やら 鉛筆削り - 2014.03.16 Sun

自分らが日々格闘している刃物研ぎっていうのは、「大根おろし」なんです。
刃物研ぎ
もちろん、下ろし金が砥石ってことですね。

実際に、刃を研ぐ事を「刃をおろす」って言うんですが、
砥石にも肉眼では見えないギザギザがあって、鋼を削ります。
刃物研ぎ

大根は柔らかいので「下ろし金」のギザギザが擦り減ることはありませんが、
刃物はそれ自体が固いので、砥石のギザギザは割とすぐに無くなってしまう
これがミソです。
難しい所

このギザギザがなくなると、削るというよりも「こする」状態になります。
平らな板の上で大根を動かしてる状態で、大根おろしが出来ない!

自分はこんなふうに、模式的に、置き換えて考えることをよくします。

砥石のギザギザが残ってるかどうか?はパッと見には分かりにくいです。
ギザギザが無くなっても、何となく研いでしまいがち。
でも、能率が悪いのと、無理矢理ゴシゴシ表面をこすることになって、きれいな仕上がりになりません。

このことを絶えず意識して、研いでいる中でギザギザが無くなれば、ギザギザのある状態に戻すことが大事
これを「面直し」と言います。
が、長くなるので、詳しくはまた別の機会に



「鉛筆削り」も参考になります。
鉛筆はあらゆる方向から、刃物は表裏の2方向からの違いはあるけれど、
先端をするどくする作業が共通です。

で、普通はカッターでする「鉛筆削り」を
砥石と同じ形体の、板に貼り付けたサンドペーパーですることも可能ですよね。
刃物研ぎ

仮にその板の内の面がえぐれてるとします。
こんな赤の形をした板。
刃物研ぎ

想像してみると、尖らせるのはけっこう難しそうです。
カーブの面で、刃先を丸く削り落とすことになるからです。

「砥石は平らにして使うべし」という、どんな木工の教科書にも書いてあることの意味が、これで分かります。

砥石というのは、どうしても中間部がすぐへこんでしまいます。
ついつい、こんな赤い形の砥石で刃物研ぎをしているのです、じつは。
やはり様子を見ての面直しが必要になります。

また逆に、カーブの外側なら手加減することで、尖らせられそう、などとも考えたりします。



でも、なんで大根やら鉛筆を持ち出さなきゃいけないの?

ミクロのものを何となく作業していると大事な所を捕らえられない、からでしょうか。。。

置き換えたり、模式的に考えてみることで、本質が見えて来ることがあるなあと思ってます。


またもや長いインターバルの末のこの細か過ぎる話し。
分かりにくい話ですしねえ。。
でも、こりずに応援いただけたら幸いです。
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やむにやまれて (鉋の裏空き) - 2012.07.10 Tue

鉋は、手に入れた当初、
こちら側(裏刃と言います)は、
このように中間部には大きな空き(つまりえぐられた状態)があります。

    鉋の裏空き

         表刃・裏刃などの参考記事はこちら重心を重臣にする【刃物研ぎのポイント】


裏刃を研ぐ時には、砥石に接する面積が小さいほうが有利

なので、この最初の状態を維持しながら使い続けるのが理想です。

が、なかなか思うようには行かず、砥石との接地面積が広くなってしまいます。
    鉋の裏空き
例えばこんな状態。
パレットに出した絵の具みたいになってます。
(いわゆる、「ベタ裏」です。)


こうなって来ると、
肝心の刃先よりもその手前部分が砥石に接しやすくなり、
いい研ぎが出来ません


砥石の表面を小まめに直したり
砥石へのあてがい方を変えたりと、
どうにかこうにかやりますが、

どうにもこれはイカン!となってくると、こんな荒療治をします。

    鉋の裏空き

これは、完全に教科書にはのってない方法ですね。

やや危ない。

いや、危ない!


今のところ、こんなやり方をしてる人には出会ってません。
が、多分、やってる人はいると思います・・よねえ。



ただ、この方法も、刃の近くになると、
刃先を傷付けてしまう可能性がありますし、
深くはえぐりたくない

ので、ドリルにこんなプチ研磨ビットを取り付けて、金剛砂(鉄の砂)を置いて、
    鉋の裏空き 鉋の裏空き
さらに、水を少したらし削ります。
    鉋の裏空き


これも自前の方法です。
ムリヤリ感、ゴリ押し感たっぷりの手法ですねぇ。

    鉋の裏空き

楽しい時間です!
ん??

毎度書いてますが、
こんなんアカンやろう!
とか、こないしたらええねん!
というようなコメントもお待ちしてます。


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重心を重臣にする【刃物研ぎのポイント】 - 2012.04.05 Thu

また、刃物の研ぎぃ?
はい、木工人にとっては基本であり永遠のテーマなもので・・

     なるべく、分かりやすく書こうと思ってはいますが・・・
     
って、まあ、こんなふうになっていて、

研ぐというのは、この両面を削って行き、刃先をとがらせる事です。
イメージは、鉛筆削りの平たい版

刃物研ぎ

それぞれの面に呼び名があり、
ナナメのほうを表刃(おもてば)と言い、鎬(しのぎ)とも言います。

切磋琢磨、つばぜり合いすることを『しのぎを削る』と言いますよねえ。
あれです。

反対側が裏刃(うらは)です。





表刃を研ぐ時は、こんな状態で安定しにくい。

研ぐ時には当然、砥石にピタッと接していなければいけませんが、
頭のほうが重いので、重心が写真の右側に寄りやすい。
刃物研ぎ 表刃(しのぎ)
そういう状況で『重心をどの位置に保てるか』
これがカギです。

重心が、しのぎ面のAの位置なのか、刃先に近いBの位置にあるのか?
重心が、より刃先近くにあることが重要です。
何の気なしに研いでいると、すぐA側に重心が移ってしまいます。


実際の持ち方としては、
右手で深くにぎって、3本指を出来る限りしのぎの上に来るようにします。
刃物研ぎ 表刃(しのぎ)
実際はこれに左手も添えます。





裏刃側は、こんなように中央部がえぐられています。
裏空き(うらすき)と呼ばれるもので、
砥石との接地面積を少なくして、削る手間を省き、
より良い研磨をするための工夫がなされています。
刃物研ぎ 裏刃
ただ、これも上手く使えず
「ベタ裏」といわれる、接地面積の多い状態になってしまいがちです。

これも重心ということに係るのですが、
『裏刃については刃先からどのくらいまでを、砥石に当てるのか?がポイント』
だと思っています。

3分なのか5分なのか1寸なのかあるいはもっとなのか
刃物研ぎ 裏刃 刃物研ぎ 裏刃
   (この写真の持ち方は、実際の研ぐ時のものではありません!
        砥石への当て具合の違いを示したものです。)


自分は、刃の状態によって、砥石のその時の状態によって、変化させています。


刃先から深い所まで砥石に乗せるようにすれば、
安定もして、重心を刃先に近づけやすくなりますが、
面積は広くなってしまい、
砥石が刃先をしっかり削りにくくなる。

浅いほうが刃先は接地しやすいのですが、
安定は悪く
刃先に重心を持って行きにくい。


研いでいる間に、砥石そのものも削れ、変化をするので、
難しさがあります。

いずれにせよ、
右手で重心が右側に寄らないように
左手で刃先をしっかり
押さえるようにします。
刃物研ぎ 裏刃
これは、ノミの裏刃を研いでいる図ですが、柄が重いので、
重心を刃先側に持っていくために、右手で持ち方を工夫します。

カンナの刃でも同様です。

重心を自分の意のままにあやつれるという事が、刃物研ぎに必要なんですね。

とまあ、こんな所が今の時点での、自分のやり方・とらえ方です。
実際は、ここで説明しきれるものでもないのですが・・


ご批判、ご意見、歓迎です。
上級者の方から見れば、お笑い草のことかもしれませんが、
まあ、今の自分の到達している所を書いてみようと。
木工を始めて日の浅い方などには参考になるかもしれないし・・・



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かゆい所に手が届く!【台直し鉋】 - 2012.03.07 Wed

カンナ(鉋)というのは樫などの硬ーい木で出来てます。 
    それでも、使っていると、
    いえいえ、使ってなくても、
台がくるってきます。

つまり、カンナの木の部分にゆがみが出たり、凸凹が出てくるもんなんですねー。
もちろん、ミクロのゆがみやデコボコですけども・・
刃が浮かされた形になってしまい、
思い通りに削れません。


かゆい所に手が届かない感じぃ~! になります。



その時の使い方によっても違いますし、木そのものの質によっても違いますが、
1日たてば、もう動いてます。

台直し鉋

なので、このような『台直しカンナ』なるもので高い部分を少しずつ削りまして、
平らにします


      スッキリかけるわあー!


こんな鉄の定木をあてがって、
光を透かし、どの部分が高いのか?、
ちょっとずつ、こそげとる感じですね。

台直し鉋


様々の方向に当てて見ます。

台直し鉋 台直し鉋


実際は完全な平らにはせず、少し下げる部分もあるのですが、
幾つかのポイントが平面上になるようにします。


まあ~、この作業は案外、時間を食います。
が、なるべく時間はかけたくない。
けれども、
こまめに台直しをしておいた方が、カンナはいい状態で、思う通りに働いてくれる。

こんな葛藤が・・ ありますねえ。




で、またもう一つやっかいなのが

この『台直し鉋カンナ』もくるう  ってことです。 

はい、当然といえば当然。

なのでこれは、平らなガラス板に耐水ペーパーを置き、磨る。
なんてことをしたり、
台直し鉋

ノミで高い所をこそぐ、などして平らにします。
台直し鉋




でもでも、この間、こんな形に至りました。


2丁の『台直しカンナ』
台直し鉋





『台直しカンナで台直しカンナを直す』

台直し鉋


イメージとしては、『ネコが自分のシッボを追いかけて、クルクル回ってる状態』でして・・・

まあ、例えてみる必要もないんですが、
ここまでするん?という感じが、ちとこっけいなふうもありますし、
       

まず、「台直しカンナA」で「台直しカンナB」を直し、
それから、「B」で「A」を直す。
『ニワトリが先かタマゴが先か?』
いやいや例えはいんですが、

皆さんは、どんなふうにしてはるんやろ?

実際に鉋を使っている人は、台のどの部分をどの位の高さにするのか?
というようなことが重要やとは思うんですが、
それはまた時間のある時に、ということで。



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Author:大阪の桐たんす職人
東京生まれ。でも関西弁が好きで、関西に来てしまいました。
桐たんす屋ばっかり3社目で、現在は岸和田の「初音の家具」にいます
伝統工芸士:学光です

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